院長より

院長 小棚木 均
院長 小棚木 均

 本ページにお進みくださいまして、ありがとうございます。病院の紹介を兼ねたご挨拶を述べます。

 秋田赤十字病院は、大正3年(1914年)の開設以来、109年余にわたり秋田県の中核病院として役割を果たして来ました。かつては、無医地域へ巡回診療、虚弱児童へ保養所開設等を行い、また、頻発した国内外の水害や地震・事故、そして戦争へ職員を派遣しました。困っている人や病める人がいたら、いかなる状況でも医療や看護を提供する精神は、病院としてはもとより、個々の職員に脈々と引き継がれています。
 現在の病院は、第4代目病院として平成10年7月秋田市中通地区(現、エリアなかいち)から新築移転し、今年で26年になります。秋田新幹線こまち号から、あるいは、秋田自動車道秋田南インター利用時にご覧いただけます。

病院の特徴を述べます。
 A,診療では、1)救命救急センターを有し、軽症から重症まで幅広く救急患者を診ています。平成24年からドクターヘリ基地病院として県全域に及ぶ救急医療を展開しています。2)県内唯一の総合周産期母子医療センターが設置され、母体・胎児集中治療室では、併存症を持つ妊婦の安全な出産を図り、新生児集中治療室では、未熟児を含む、生まれたての児の健やかな成長のため治療しています。3)神経病センターでは、診断と治療が困難な神経難病へ挑戦を続けています。これら1)~3)は秋田県政策医療として県と連携して行っています。4)地域がん診療連携拠点病院として、診療ガイドラインに準拠しつつ先進的ながん診療を提供しています。5)病院内には多くの診療センターが設置されています。透析や血液浄化を行う腎センター、運動器を治療する人工関節センター、海外渡航者へワクチン接種等を行う予防接種センター、症例数の多さと高度な技術を誇る消化器病センターや超音波センター、遺伝性疾患や遺伝性腫瘍のカウンセリングを行う遺伝診療センターなど、専門性に基づいた特色あるセンターがあります。6)感染症法上5類に引き下げられた新型コロナウイルス感染症については、未だ感染者がいるため、重症患者の入院治療を継続して行っています。7)特記すべきものとして、県内では行われることの少ない、肥満外科手術や、乳房再建術、人工関節手術支援システムMakoを用いた手術などが行われています。
B,予防医学として、院内にある健康増進センターと秋田市中通地区にある健康管理センターの2か所で年間合わせて2万人の人間ドックや健診を行っています。
C,災害救護活動では赤十字社として当然ながら、災害時すぐにDMATや救護班が出動できるよう訓練すると共に、当地が被災した想定の訓練も行っています。国際救護として職員の海外派遣も行っております。
D,教育では、1)秋田大学医学部学生へ臨床実習の場を提供しています、2)臨床研修指定病院として、初期研修に必要とされる病気を幅広く経験できる体制を整えています、3)専門医を目指す医師のため多くの学会認定施設になっています、4)看護師養成のために県立衛生看護学院や日本赤十字社秋田看護大学の実習施設になっています、5)今後の秋田県の地域医療に重要な役割を果たすであろう特定行為看護師を養成する研修施設として指定されています。

 高齢化と人口減少が最も顕著な秋田県において、地域の求めに応じて当院はいかようにも容態を変えますが、変わっても、個々の患者さんへは、人道と博愛の赤十字精神に基づいて患者さんに寄り添い、最新で最善の医療を提供して参ります。

 皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

(令和6年1月1日記)