消化器外科・呼吸器外科・乳腺外科

後期研修 診療科別研修プログラム

1.診療科の特徴

 当院は外科学会の外科専門医制度修練施設であり、消化器外科、呼吸器外科、乳腺外科の3科が密に連携しています。消化器外科では年間約700件(全身麻酔530件)の手術を行い、県内のトップクラスの件数です。胃癌や大腸癌などの悪性疾患が主ですが、虫垂炎や交通外傷等による緊急手術(約160件)も多く、幅広い症例を経験でき、多くの知識を身につけることができます。

 呼吸器外科の基本方針は最先端技術を取り入れ、EBMに基づいて安全で確実な医療を提供することです。肺癌を中心に縦隔腫瘍、膿胸、転移性肺腫瘍などに胸腔鏡手術を主に行っています。臨床研究を積極的に行い、専門医取得に必要な学会発表や論文作成の指導 も行っています。

 乳腺外科の年間の乳癌手術件数は80~90症例で温存率約50%です。ガイドラインに沿いつつ、できるだけ患者さんの希望に合った診療を行い、患者さんに満足してもらうことを最終的な目標としています。

2.診療実績

(平成24年 手術件数)

  • 胃癌 104件
  • 大腸癌 120件
  • 肝胆膵癌 38件
  • 胆摘 116件
  • 呼吸器疾患 106件
  • 乳腺疾患 105件

3.研修期間

 初期研修2年、後期研修3年後に外科専門医を取得することが可能になります。さらに後期研修5年後には消化器外科・呼吸器外科・乳腺外科専門医の資格を取得することができます。

4.研修目標

  1. 一般目標
    1. 外科領域全体にわたる知識と臨床的能力を修得します。
    2. 手術については通常の消化器・呼吸器・乳腺外科系手術を適切に遂行できる技術を修得します。
    3. 癌診療に求められる基盤的知識と診断や治療の選択および遂行する能力を修得します。
  2. 行動目標
    1. 外科診療に必要な基本的知識、すなわち輸液、栄養、創傷管理、周術期管理、放射線、化学療法などを習得し、臨床に即した対応ができること。
    2. 診療に必要な検査、上・下部消化管内視鏡検査や気管支鏡検査、エコー、CT、MRI、マンモグラフィなどの画像診断の特性を理解し、計画をたて診断できる能力を習得します。
    3. 消化器外科では胃癌や大腸癌、肝・胆道疾患の執刀を行うと伴に、一連の研修後、内鏡視鏡下手術も行えます。
    4. 呼吸器外科では年間100例の手術件数の他に胸部外傷等、外傷外科の経験を積むこともできます。2007年呼吸器外科創設以来、2名の呼吸器外科専門医を輩出しています。
    5. 乳腺外科の後期研修は診断(質的診断、癌の広がり診断)、手術(温存手術、乳房切除術、センチネルリンパ節生検)、そして術後のホルモン治療、癌化学療法、放射線治療を幅広く研修していただくのは当然ですが、日常臨床で一番重要と考えられる患者さんと信頼関係を構築できる医師になれるような研修を提供します。

5.取得可能な認定医、専門医

 外科専門医、消化器外科専門医、呼吸器外科専門医、乳腺外科専門医

6.後期研修後の進路

 当院での後期臨床研修終了後は当院でスタッフとして診療に携わることができます。さらに、希望に応じて博士課程の学位の取得や癌専門施設への国内留学も可能です。

7.その他

 大学病院や他の市中病院と連携して心臓血管外科・小児外科領域も研修することができます。(秋田県外科医育成プログラム機構:ASPO)