乳腺外科

診療科の紹介

概要

  • 乳腺の疾患を対象とした診療科です。
  • 秋田市のみならず県内の各医療施設と協力しながら乳がんを始めとする乳腺疾患の専門的な医療を適切に提供できるようにしています。
  • 総合病院の利点を生かし各科と連携して日々の診療を行っています。

乳がん診療の特色

 乳がんの診断から治療までを行なっています。治療法は手術と薬物療法、放射線治療の組み合わせで行います。また、他臓器に転移が認められる場合は薬物療法主体の治療を行います。乳がんの治療は基本的にはガイドラインにのっとり、患者さんにとって最善の治療を行います。乳がんは若い方から高齢の方まで幅広い年齢にわたってかかる可能性のある病気です。各々の暮らしや生活スタイル、人生観を考慮して、適切な治療を選択し行うことができるようにチームでサポートしていきます。

乳がん手術の特徴

当院では年間150例前後の乳がん手術を行なっています。

  • 乳房全摘術(乳房全切除術)
    胸筋を残して乳房を切除してきます。しこりが大きいとき、乳管内の広がりの範囲が広めの時、温存術で整容性(見た目のきれいさ)があまり期待できない時、乳房温存術を希望しないときなどに行います。また、最近では遺伝子検査で遺伝性の乳がんと診断された方にも乳房切除を勧めています。
     
  • 乳房温存術(部分切除術)
    がんの部分を中心に乳房を部分的に切除して乳房をできるだけ残す手術の方法です。しこりが大きくない、画像検査で広がりの範囲が限局している、場合が適応となります。整容性を心がけた手術に努めています。通常、手術後に放射線治療が必要になります。
     
  • 腋窩リンパ節の手術
    上記乳房の手術(乳房全摘術 or 乳房温存術)に加えて行います。画像でリンパ節が腫れてない方は「センチネルリンパ節生検」(数個のリンパ節のみをつまんで切除し、転移があるかどうかを調べる検査)を行います。リンパ節に転移がある方は腋窩リンパ節を脂肪ごとまとめて切除する「腋窩リンパ節郭清」を行います。
     
  • その他
    ・形成外科と協力し乳房全摘後の乳房再建にも対応しています。
    ・乳がんのタイプや大きさによっては術前化学療法(手術前の抗がん剤治療)が望ましい場合があります。

乳がんの薬物療法について

 目的に応じて術前薬物療法、術後薬物療法、他臓器に転移がある方の薬物療法を行います。また、乳がんのタイプやご本人の状況に応じてホルモン剤、化学療法(抗がん剤)、分子標的薬 を組み合わせたり使い分けたりして行います。薬物療法中は副作用の予防や対処が大事になりますが、他の診療科での専門的な診察が必要になる場合があります。

他の対象疾患

  • 良性腫瘍(線維腺腫、葉状腫瘍、乳頭腫 など)
  • 炎症性疾患(乳腺炎 など)
  • 乳腺症

最近の話題

 乳がんの最近のトピックスとして遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC:エイチビーオーシーと呼びます)という疾患概念があります。HBOCは、BRCA1(ビーアールシーエーワン)またはBRCA2(ビーアールシーエーツー)と呼ばれる遺伝子に、生まれつき癌になりやすい特徴(変異)を持っていることが知られています。BRCA1/2に変異がある人は乳がん・卵巣がん・膵がん・前立腺がん(男性の場合のみ)などになりやすく、乳がんに関しては若年で発症しやすい、複数回乳がんを発症しやすい などの特徴があります。
 2020年4月から以下に当てはまる方のBRCA遺伝学的検査及びそれに付随する遺伝カウンセリングと予防医療が保険適応となりました。

  • 45歳以下で乳がんを発症された方
  • 60 歳以下でトリプルネガティブ乳がんを発症された方
  • 2 個以上の乳がんを発症された方
  • 第 3 度近親者内(曾祖父母、大おじ、大おば、いとこまでの血縁者)に乳がんまたは卵巣がん発症された方が1名以上いる方
  • 乳がんを発症された男性
  • 卵巣がん、卵管がんおよび腹膜がんを発症された方

 当院でもBRCA遺伝学的検査、遺伝カウンセリングの対応が可能になりました。HBOCと診断された場合は乳がんの他にもかかりやすいがんがあるため多くの科の対応が必要になる場合があり、ご本人及びご家族の医学管理を考える必要があります。現時点では当院で乳がんの治療をされたことのある方を対象としております。また、かかりつけの先生がいる場合は紹介状が必要となりますのでご了承ください。

診療実績

年間の乳がん手術は150例前後です。その他良性腫瘍の手術にも対応しています。

学会活動・その他

  • 乳腺専門医が常勤しており、日本乳癌学会認定施設に認定されています。
  • 日本乳癌学会、日本乳癌検診学会などに所属し、総会や地方会などで発表を行っています。
  • 各種臨床研究にも参加しております。
    臨床研究はこちら

担当医の紹介

役職名等 氏名 資格等
乳腺外科部長 伊藤 亜樹 日本外科学会外科専門医
日本乳癌学会乳腺専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
乳腺外科副部長 若木 暢々子 日本外科学会外科専門医
日本乳癌学会乳腺認定医
臨床研修指導医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
医師(元乳腺外科部長) 鎌田 収一 日本外科学会認定医・外科専門医
日本乳癌学会乳腺専門医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
医師 柿崎 綾乃 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

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